【第1回】伝え返しって何?キャリア支援とカウンセリングの共通スキル

キャリアコンサルタント

伝え返しって何?キャリア支援とカウンセリングに共通する大切なスキル

こんにちは。
キャリア支援やカウンセリングの学びを深めていく中で、「伝え返し」という言葉に出会ったことがある方は多いのではないでしょうか?

このシリーズでは、キャリアコンサルタントと今、私が勉強している産業カウンセラーの「伝え返しの違い」について、全5回に分けて解説していきます。

と言うか、私が違いを分かりたくて、今回は勉強を整理しつつ、お伝えしたいと思います。

第1回となる今回は、
「伝え返しとは何か?」を、基本から丁寧に理解していく回です。
はじめて学ぶ方や、現場で「これでいいのかな?」と迷っている方にも、
ヒントになるような内容をお届けします。


◆ 伝え返しって何?

「伝え返し」とは、
クライエント(相談者)が話した内容を、カウンセラーやコンサルタントが、言った言葉をそのまま返したり、自分の言葉で言い換えて返すスキルです。


ただ言葉を繰り返すだけではありません。
その奥にある気持ち、考え、価値観、意味づけなどをくみ取って、
「あなたの話を、私はこのように受け取りました」と返すことで、相手に安心感と信頼感を届けます。


◆ なぜ「伝え返す」ことが大事なの?

伝え返しの役割には、次のようなものがあります。

🔸1. クライエントの「気づき」を引き出す

人は話しながら、自分の感情や考えを整理します。
そこに面談者が言葉を返すことで、「あ、私、こんなふうに思っていたんだ」と自己理解が深まっていきます。

🔸2. 「わかってもらえた」という安心感を届ける

ただ聞かれているだけでは、「本当に伝わっているかな?」と不安になることもあります。
でも、言葉を返してもらうと、「この人は、私の話をちゃんと聴いてくれている」と感じることができます。
これは信頼関係(ラポール)の基礎になります。

🔸3. 誤解やずれを修正できる

ときには、カウンセラー側が少し違う受け取り方をしてしまうこともあります。
ですが、それを伝え返すことでクライエントは「いえ、それは違って…」と修正できます。
このやり取りも、実はお互いの理解を深める大事なプロセスです。


◆ 具体例で見る「伝え返し」

クライエントの発言:

最近、職場で自分ばかり仕事を振られて…。
頑張ってるのに、誰もわかってくれない感じがして、もう限界です。

伝え返しの例:

たくさんの業務をひとりで抱えていて、それに気づいてもらえないつらさを感じているんですね。
一生懸命やっているのに、誰も見てくれていないような…。

こんなふうに、「ただ繰り返す」のではなく、感じていることや背景をくみ取って、相手のこころに寄り添う表現を心がけます。


◆ キャリアコンサルタントと産業カウンセラー、どちらも使う共通スキル

伝え返しは、キャリアコンサルタントにも産業カウンセラーにも共通する大切なスキルです。
どちらの立場でも、「話をきちんと聴く」「受け止めて返す」という基本がとても大切にされています。

ですが――
目的が違えば、伝え返しの視点や使い方も自然と変わってくるのです。


◆ 支援の目的の違い

キャリアコンサルタント 産業カウンセラー
主な目的 キャリアの意思決定、選択肢の明確化 感情の整理、心理的な安定の回復
関心の焦点 「行動」や「選択」に向けた意味づけ 「気持ち」や「心の動き」の理解
支援のゴール 「ではどうしていきたいか?」の明確化 「いまの自分を受け入れる」プロセス

そのため、伝え返しも「どこをどう返すか」が変わってくるのです。


◆ 「伝え返しの違い」は、支援の違いから生まれる

どちらが正解というわけではありません。
大事なのは、支援の目的に合わせて、伝え返しのスタイルを柔軟に使い分けることです。

でも、実際に学んでいると、
「これってキャリコンっぽい?」
「共感しすぎて前に進まないのでは…?」
と悩むこともありますよね。

だからこそ、このブログシリーズでは、
「違いを理解したうえで、自分のスタイルを磨く」ことを応援したいと思っています。


◆ 次回予告:キャリアコンサルタントの伝え返し

次回の第2回では、
 キャリアコンサルタントの伝え返し:意思決定を支える技術
をテーマに、会話例を交えながら「どう返すと整理につながるか?」を深掘りしていきます。


◆ 最後に

あなたがいま、どんな場で、どんなクライエントと向き合っているとしても、
「伝え返し」は、相手とつながるための、あたたかくて、力強い橋になります。

ぜひ、伝え返しの力を丁寧に育てていきましょう。
次回も、どうぞ楽しみにお待ちください。

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