産業カウンセラー講座で出会った「ポーターの5つの態度」

キャリアコンサルタント

先日、産業カウンセラー協会の対話分析のフォローアップに参加してきました。

その時の問題などは、取り上げてはいけないので、書けないのですが、その中での私の学びを一つ書きたいと思います。

対話分析の中で、評価的態度、解釈的態度、支持的態度、探索的態度、理解的態度、カウンセラーの応答がどれに当たるか?という問題でした。

なんとなく、言葉は聴いたことがあっても、「ポーターの5つの態度」とは知りませんでした。

そのため、少し調べて整理したくなりました。

詳しくはないですが、少し整理していきたいと思います。

ポーターの5つの態度とは、

今、カウンセラーがどんな応答をしているか

その応答は相談者との関係において何をおこしているのか?

を言語化する感じだと思います。

「うまく答えるための技法」ではなく、自分がどんな態度で人の話を聴いているのかに気づくための枠組みとして扱われていたことです。

ポーターの5つの態度は、そのためのわかりやすい「鏡」ですね。

ここでは、産業カウンセラーの視点から、ポーターの5つの態度を具体的な相談場面の例とともに整理してみます。

評価的態度(Evaluative Response)

産業カウンセリングでの位置づけ

相談者の話を、良い・悪い、善悪で考える、正しい・間違っていると評価しながら返す態度です。

例題(相談場面)

相談者
「仕事でミスが続いていて、自分は向いていないんじゃないかと思うんです。」

評価的態度の応答
「誰でもミスはしますよ。そこまで気にする必要はないと思います。」

解説

一見、相談者を励ましているようにも聞こえますが、
「向いていないのではないか」と感じている相談者の思いは、ここでは受け取られていません。

評価は、安心させることもあるが、語ろうとする気持ちを止めることもあると学びました。

解釈的態度(Interpretive Response)

産業カウンセリングでの位置づけ

相談者の話を聴きながら、支援者が背景や心理を推測し、意味づけて返す態度です。

例題(相談場面)

相談者
「職場のことを考えると、朝から気分が重くなるんです。」

解釈的態度の応答
「それだけ、職場で無理をしてきたということなんでしょうね。」

解説

理解しようとする姿勢はありますが、
相談者自身がまだ言葉にしていない部分を、支援者が先に言ってしまっています。

解釈は当たることもあるが、外れると関係に距離が生まれるという点が繰り返し強調されていました。

支持的態度(Supportive Response)

産業カウンセリングでの位置づけ

相談者の気持ちに寄り添い、安心感や受容を伝える態度です。関係づくりの初期によく使われます。

例題(相談場面)

相談者
「自分には強みがない気がして、不安になります。」

支持的態度の応答
「そう感じるほど、これまで一生懸命やってこられたんですね。」

解説

相談者の気持ちを否定せず、受け止めようとしています。
一方で、支持的態度が続きすぎると、相談者自身の内省が深まりにくくなることもあります。

探索的態度(Probing Response)

産業カウンセリングでの位置づけ

質問を通して、相談者の体験や感情を丁寧にたどっていく態度です。

例題(相談場面)

相談者
「このまま今の職場にいていいのか、わからなくなっています。」

探索的態度の応答
「そう感じ始めたのは、どんな出来事がきっかけでしたか?」

解説

相談者が自分の体験を振り返る助けになります。
探索は、理解的態度とセットで使われてこそ意味があると教えられました。

理解的態度(Understanding Response)

産業カウンセリングでの位置づけ

相談者の言葉や感情を、評価や解釈を加えずにそのまま返す態度です。産業カウンセラー養成では、この態度を繰り返し練習しました。

例題(相談場面)

相談者
「仕事が合っていないんじゃないか、という思いが消えないんです。」

理解的態度の応答
「合っていないのではないか、という思いがずっと心にあるんですね。」

解説

相談者の表現を尊重して返すことで、
「わかってもらえた」という感覚が生まれます。
産業カウンセリングでは、この感覚こそが、相談者が自分自身を見つめ直す土台になると考えられています。

最後に産業カウンセラーとして、態度に立ち返る

産業カウンセラーの講座で学んだポーターの5つの態度は、
私にとって面談の途中で、自分を立ち止まらせてくれる指標です。

うまく聴けなかったと感じるとき、
「もっと良い言葉を返せばよかった」と考える前に、
自分はどの態度で応答していたのかを振り返ってみる。

その積み重ねが、相談者との関係を少しずつ育てていくのだと、産業カウンセリングの学びから教えられました。

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